定期的にくる仕事をやめたい衝動

患者や他のスタッフともめた、手技が上手くいかなかった、患者の転機が好ましくなかったなど明確な理由があればまだよい。ただ単に、朝起きて仕事にいきたくないのだ。広義には毎日そうなのかもしれないが、強烈なサボりたい要求が襲ってくる日がある。学生時代はそのままサボればよかった。小学校高学年の際にはすでに仮病でサボることを覚えており、中高大はかなり堂々とサボっていた。昼まで眠り、適当に飯を食い、遊びにいく。金がない点を除けばかなり理想的な生活だったかもしれない。

今はそうはいかない。入院患者は常にいるし、外来もあれば当番も当たっている。いかなければきっと電話もなるだろう。休んでも翌日以降がより大変になり、苦痛の総和は増えてしまう。わかっているから11年休むことなく病院に足を運んでいる。

世の社会人で仕事がしたくて仕方がない。退勤したら翌日の仕事が楽しみで仕方がないという人がどれほどいるのだろうか。サラリーマンではほとんどいないように思う。仕事を楽しくする、勉強して仕事の知識を増やして楽しめるようにするなどという綺麗事は、なんと遠くに聞こえる理想論だろうか。

解決策として思いつくものはいくつかある。まずは職場の人間関係を良好に保つように努めることだ。嫌いなヤツがいればそれだけで仕事にいきたくない気持ちが強くなる。一方軽口や愚痴を言い合える同僚がいればストレスは軽減される(それが美人ならなおさらだ)。

もう一つは労働強度を落とすことだ。医師はどうしても急変と急患があり、特別忙しい日が存在する。そうでない日は無理なく仕事をこなせる、余裕があればコーヒーブレイクや昼寝をできるくらいの労働量にすることだ。キャパが他の医師より少ないことを自覚していた自分は、臨床は頑張る、研究はごくごく最低限、学生や若手医師の教育は基本的にはしないという働き方を選択した。大学病院の3大責務である臨床、研究、教育の内、臨床以外を放棄したのだ。これは正解だったように思う。素晴らしい研究やいい教育などはなから無理だとわかっていた。

朝起きることがいやだ、看護師からどうでもいい確認をされることがいやだ、嫌いな先生と話すことがいやだ、お局が偉そうに指示していることが鼻につく、治療がうまくいかないことがいやだ、とにかく職場と逆方向に車を走らせたい・・・こういった衝動はみな多かれ少なかれ抱いているだろう。

世の社会人達がこういった思いでそれでも働いていたのだと知ったのは割と最近になってからだ。

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