医師国家試験の思い出②

医師国家試験の受験生の皆さまお疲れさまでした。本当にお疲れさまでした。全国的な大雪が今日からでまだよかったです。

Xで自己採点サイトに反映された点数をupして、受かった、落ちたなどの投稿がみられる。そうした方々の点数をみるにつけて医師国家試験のボーダーはこんなに上がったのかと驚く。私の受けた時代は必修、一般、臨床、禁忌と4つの評価軸があった。必修が8割で合格というのは変わらない。一般、臨床が7割とっても不合格というのは私が受けた時代には考えられない。7割あればそこそこ余裕をもって合格だった。正解が解釈によって分かれるいわゆる「割れ問」でかなり下振れても、いくつかマークミスをしても7割取っていれば心配なかった。今はそれでは偏差値34の壁に阻まれるらしい(ほぼ相対評価で上9割が合格のため、偏差値34が大体のボーダーラインだそうな)。

一つは医学部の難化、学生の質の向上だろう。救急外来など一緒にやってもここ数年はかなり優秀な先生が多い。もう一つは過去問が研究されつくしていることが要因だろう。すべての科をまんべんなく幅広く基礎的な知識を問うとなると、あまり手を変え品を変え問題をいじくることができない。そうなるとやはり過去問を多少色を変えて出す他はない。当時はこうしろう先生や穂積先生のMEC、三苫先生のTECOMのほぼ2択だったが現在は医師国家試験対策の予備校がいくつもあり、対策が進んでいる。

医師国家試験の受験者は、7割のまあ合格する人、2割5分の当落線上の人、5%の今年は諦めている人ぐらいの割合であろう。2割5分の人たちにとっては厳しい戦いになる。その中で5人に1人は落ちる。何物でもなく、ただ医師国家試験の勉強をする一年が待っている。さらに一度国家試験に落ちた人の次の年の合格率は現役生よりはるかに低い。

医師国家試験が残念な結果であった人へ。つらい一年になろうかと思うが、10年たてば笑い話だ。私の知人で10年以上前に一緒に国家試験を受けて、まだ医師免許を持っていない人がいる。受験したりしなかったりしているらしい。今年だめでも来年、来年だめでも再来年とあきらめずに受験してなるべく早めに合格してほしい。医師としては最近いやになるようなニュースも多いがそれでも楽しい、やりがいはある。健闘を祈ります。

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