呼吸器内科のすゝめ②

いいところばかり書くことはフェアではない。呼吸器内科のつらいところ、嫌な点も上げてみよう。

・J-oslerが他の内科に比べてきつい。

この点はJ-osler世代の後輩は皆言っている。内科全般がそうかもしれないが、専門医までの道のりに面倒な手続きが多すぎるのだ。そのため内科全体が減っており、人集めにどこも苦心している。特に呼吸器は煩雑な点が多いらしい。

・亡くなる患者が多い。

特に肺癌、間質性肺炎、COPDは死因の上位に来る疾患である。また年齢と共に有病率も重症度も上がってくるため、昨今の高齢化社会の影響をもろに受ける。呼吸機能は年齢と共に生理的に低下していく。

・メインの手技の気管支鏡は術者の技量によって結果が大幅に変わる。

同じくカメラのある消化器やカテのある循環器内科よりも手技の技量によって診断がつくかつかないかが変わってしまいやすい。これは良い点にも書いたのだが、よくも悪くもやりこみ要素が多い。肺癌の診断がつくかつかないかという検査になるので、プレッシャーが大きい。自分の住む県で一番うまい、とされる医師と一緒に3年気管支鏡検査をやっていたが、自分とのレベルの違いを痛感していた。

・場所によっては肺炎が押し付けられる。

肺炎と名がつけば全部呼吸器内科、という病院もあるらしい。入院病名のトップが肺炎であることを考えると、入職前にそういった点の確認も必要かもしれない。

どの科にも大変な点、素敵な点はある。もっと言えばどの職業にもだ。

私は呼吸器診療を愛しているし、もう一度研修医に戻って科を選べと言われても呼吸器内科を選ぶ。

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