医局の出口戦略について③

先日転職先の候補である病院に見学と顔みせ、条件面の確認のためいってきた。医師の転職として自分の体験はかなりリアルな話だと思う。

主体的な転職は今までしたことがなく、研修病院すら自分の出身大学でほとんど就職活動はしたことがなかった。そのため何を基準に考えればいいのか今一つ自分でもわかっていない。医師に限らず転職一般がそうであるように、主に下記について確認した。

①労働強度

当直回数、一週間の外来のコマ数、受け持ち患者数などだ。当直月4回、外来は週2コマとまあ予想通りの範疇だ。私は週1回別の慢性期病院の当直もするため、当直は月8-10回とまずまずの数になる。救急車がたくさんくるといった環境ではないので、まあ無理なくこなせる。本音を言えばもう少し減らしたいが。

②給与

色々含めると1600万円/年の契約である。他に学会の交通費、宿泊代と研究費の名目で本やパソコンなどが買えるらしい。当直バイトと合わせると1900万円ほどの年収になる。これも予想通りである。

上記二つは転職で誰もが重視するところではないだろうか。場末病院などとも揶揄されることがあるが、医療の最先端からは少し距離がある。呼吸器疾患でも、手にあまる症例は高次医療機関に送ることになるだろう。

他にもいくつかの病院に声をかけてもらっており、10月頃には決めなくてはならない。

幸い円満な退局に向けて話は進められている。他の医局では「やめるんなら県内で働けなくしてやるぞ」と教授に脅されるといったこともよく聞く話であり、恵まれている。前時代的な信じられない話だ。

やりがい、自分の能力を活かせる職場などと建前では皆言うかもしれないが、多くの人の本音は

「楽で高給」

これではないか。窓際族、爺医などと言われる働かない高給取りになりたくないのは、以前も書いたようにプライドの問題だけなのではないか。医師はエリート意識がある人も多いため、このプライドがかなり私生活や給料の邪魔をする。自分もそうだ。どこかに内科医である誇りとか、エリート意識などはある。周りからみるとなんとちっぽけで、独りよがりな思いかと思われるが、皆が楽で高給に群がると外科医や産婦人科医、循環器内科医などはほとんどいなくなってしまう。

しかしこうも思っている。「ああ、それにしても金が欲しい」と。

コメント

タイトルとURLをコピーしました