以前書いた記事の続きだ。
ある外科系の先生の話だ。F先生としよう。当時40代の医師だ。小太りで毛深く、身長も低めの坊主頭、眉毛はぼさぼさ。どうみても、ルックスでモテるようなタイプの男性ではない。しゃべってみると、よくしゃべり、明るい先生だなとは思う。結婚指輪をしており、ああ、ご結婚なさっているんだくらいの認識だった。当時研修医で、F先生の科を回っていた自分は科の飲み会に呼ばれ参加した。
そこで別の先生から軽い勧誘を受ける。「外科は手術は楽しいし、本当にやりがいがある。食べられない患者が食べられるようになって退院した時は本当にうれしい」まあよくある勧誘の文句だ。続けて「医者の中でも外科医はモテるぞ。Fなんか、奥さんの他に5人女がいるんだ」
え、マジかよ。いっちゃ悪いがF先生が?詳しくきいてみると、一人一人月1-4回の頻度で逢瀬を重ねているらしい。同じ病院に勤務する看護師もその中の一人にいた。
以前の記事で書いたように医者は婚活市場では強いが、そこまでべらぼうにモテるというわけではない。大学病院の普通の勤務医ならせいぜい小金持ち程度で、愛人にたくさんのお金を注げるほどの収入もない。医者と結婚したい女性がいたとしても、F先生は奥さんも子どももいる。
後に判明する。私は同級生や後輩など、当時付き合っていた同じ大学の彼女がいた(二股ではなく、同級生と別れた後に後輩と付き合っていた)。
そのどちらもF先生に連絡先をきかれており、後輩の方は誰かから連絡先が伝わり、食事の誘いがあったと。さらに聞くと学生や看護師の大半に連絡先をきいており、入手した場合は全員誘っているということだった。
病棟の看護師が毎年入れ替わり大体かかわる人が30人、学生女子が一学年50人、バイト先など外の病院でも同じことをしたとすると・・・
職場だけでもとんでもない数の女性に声をかけていることになる。打率を上げるのではなく、徹底的に打席に立つ回数を増やしているのだ。それは中には変わった好みの女性や、まあいいかと思う女性などひっかかる女性はいるだろう。
この話をきいて、私はよくやるなあ、さすがに節操がなさすぎるなあと思うより先に、F先生に尊敬と感心の念を抱いた。自分の欲望に忠実なのだ。自分に正直に生きているのだ。今はかなりパワハラセクハラがうるさく、学生の女子に連絡先をきくのはかなり慎重にならなくてはならない(私は学生と連絡先の交換など聞かれない限りしたことはない)。当時も今ほどうるさくはなかったとはいえ、セクハラやパワハラが話題になり始めた時期ではあった。すげーぜF先生。
同じ科の友人にきいてみた。「そういえばF先生ていたじゃん、今どこにいるの?」と。
「同僚の看護師と当直中にヤッていたのがばれて、他の病院に飛ばされた、ついでに離婚したらしい」とのことだった。おそらくどこに行っても女性に声をかけ続けていることだろう。
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