有給消化について思うこと②

いざ医局を辞めるとなると、少し寂しい気持ちもしている。次の就職先は一応急性期だがかなりのド田舎で「場末病院」だ。ホームページを見る限り、医師の中では自分は最年少に近い。親しい医師もほとんどいない。一方で大学病院では同期もたくさんおり、出身大学のため勝手知ったるところである。仲間の存在はどんな場所でもありがたいものだ。安い給料、それを補うための当直バイト、長い会議、診療科同士の仕事の押し付け合いなど大学病院に文句を言えばきりがないが、まあ感謝も感慨もそれなりに感じている。

さて労働者の権利である有給消化だがこのために相当な準備をしてきた。まずは3月後半の外来を閉じることだ。どうしても来院の必要がある患者については他の先生にみてもらうが、それ以外は前後にずらした。さらに入院予定の患者は引き継いでもらう先生に申し送る。自分の下にいる研修医も同様他の医師につくよう依頼する。半年前から徐々に進めてきて、ここ最近はラストスパートだ。

そうしてとった有給。前述したように好きなことをのんびりやる。東京に遊びにいく。遊ぶには東京は一番エキサイティングなところだ。ここ2か月はどんなにつらいこと、しんどいことがあっても「私には有給がある。数か月前からしっかり準備してきた有給が」と思えた。

働き方改革でどのように医師の有給は変わるのだろうか。以前も書いたように仕事量は増え続けており、働き方改革と銘打ったところで仕事が減ることはあり得ない。少しでも時間外の会議などを業務時間外にとの意識が医療界全体に働けばよいのだが、単に給料が減るだけの改革になる気がしてならない。有給消化は義務付けて、とらない場合は企業が罰則を受けるようになってほしい。上司から「お前が有給をとらないと俺がひどい目に合う、頼むから有給をとってくれ」と言われるようになってほしい。だって有給は素晴らしいから。

自分よりもっと大胆に有給を使った先輩もおり、2か月まるまる休んでいた。業務の調整や周りの目などもあり、そこまではできなかったが、やってもよかったと思っている。だって有給は素晴らしいから。

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