歴史的大暴落を経験して思うこと

日経平均の暴落率だか暴落額が史上最高を記録したらしい。強烈な下げの後、上昇し、元々持っていた配当株達は微減、強烈な下げの際に歯を食いしばって買い増して、その分を利確したため結果的に資産は増えた。100%結果論であるが好判断だったようだ。しかし下げの最中、数千万円の資産が減っていった。普段通りに診療をするのみで、思っていたよりも動揺はなかったが、どこまで下がるのだろうかという恐怖はあった。

学生の頃から少しずつ株を買い始め、研修医になってからも貯金と高配当株を買っていた。私の資産はコロナショックの際に購入した大量の高配当株と不動産、その後NISAで買い増した日米の高配当株がほとんどである。つまりたっぷり含み益が乗っている。例えば1000万円の含み益があり、当分現金化するつもりがない株があるとする。今回の暴落で500万円下がってもまだ含み益が500万円残っている。しかし人間の心理は「失ったものの方が得たものより強く印象に残る」ため、焦りが産まれる。自分の1000万円が500万円になってしまった。そして配当金投資や積み立て投資における禁忌に近い「狼狽売り」が生まれてしまう。

「配当金5%の株なら20年減配と倒産がなければ絶対プラスになる」くらいのスタンスで売らずにガチホといきたい。

学生時代、研修医時代は麻雀やパチスロで凌いでいた。ある日5万円勝ち、次の日2万円負けたとしよう。これは「合計3万円勝った」とは思えない。5万円は既に自分のお金になっており、そこから2万円減ってしまっていると感じるのだ。ある日早々に10万円負けて、その後頑張って取り戻し、8万円は取り戻した。「2万円負けた」ではなく、「大けがを自分の実力で防いだ」さらには「10万円はどんな強者でも防げない不運だが、その後8万円取り戻したのは自分の腕だ」などと過信するのである。上記はどちらもギャンブラーの心理であり、有名な矛盾だが、ギャンブルをやっている人はわかるのではないだろうか。

このような心理的矛盾を抱えて狼狽売りをするようではきっと株式投資の世界で勝ち切ることはできないだろう。

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