私の知るヤバい医師⑥

やれマネーリテラシーだ、医師のポイント活動だ、高配当株だと小賢しい小銭稼ぎに精を出している。大物や本当の大金を掴む人はこんな俗人がやるようなことはしないように思う。私は小物なので、目先のお金を追っている。

本当のワーカホリックの人は上記のようなことはしない人もいる。知人のM先生は本当に病院に住んでいるのかと思うような循環器内科医だ。科は違うのだが、様々な伝説が聞こえてくる。ひところは週に1度着替えを取りに帰る生活を2年続けていたそうな。集中治療室に患者がいれば自宅に帰るなどもってのほか。救急車で重症患者が来れば積極的に主治医を引き受ける。他の循環器内科医が救急対応していればすっと現れ「手伝いますよ」とくる。夏休みなどとったことがないそうだ。昨今叫ばれている働き方改革やワークライフバランスなどまるで無視している。ワークの中にライフがあるような感じだ。医師20年目くらいだろうか。本当にいつ病院にいってもいるなあという印象は変わっていない。患者のコンサルトなどで接することがあるが、本当に「普通のおっさん」という感じ。奥様と子供もいるそうだが、家庭生活はどうなっているのか。

医師7年目ぐらいまでは、M先生ほどではなかったが、休日でも毎日患者に会いにいっていた。休日に検査をする閾値も今よりずっと低かった。徐々に「月一回は病院にいかない日を作ろう」→「休日はいかなくて済むならいかないようにしよう」と変わっていった。ある時から治療のアウトカムも患者満足度も変わらないように感じてきたからだ。休日の予定病状説明など悪だとすら思っている。念のため書くが休日でも必要な検査や治療はもちろん行っている。緊急性が高い場合などだ。

M先生のように働きたい人は今は相当少ないと思う。時間外勤務などせず、肉体的にも精神的にも効率的に稼ぎたい医師がほとんどだろう。しかし、数%はワーカホリック、働きたいし実力をつけたいと思っている医師がいる。そうした働き方が持続可能な人はさらに数は少ない。ライフステージが進むと仕事以外にもこなさねばならないタスクも増える。

そこまで非人道的な働き方をしなくても適切なトレーニングをして、実力をつけていける環境が必要だ。重症が来たときは時間外であろうが頑張る。そのぐらいが今の働き方改革と医師の実力向上の落としどころではないだろうか。

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