自戦記、サッカー天皇杯に出場して

サッカーの天皇杯予選に出場した。天皇杯は特殊な大会でJリーグのチームのみならず、日本サッカー協会に登録しているチームすべてに参加資格がある。そのため稀に高校生チームが本戦に出場したり、以前は山形大学医学部チームが山形県予選を制して出場したこともあった。

我々のあまり強くない社会人チームも出場した。一、二回戦はいずれもやや戦力に勝るチームが相手ではあったが、展開も味方し、接戦を制して突破した。自身もゴールを決めて微力ながら勝利に貢献できた。

3回戦が先日行われた。相手は完全に格上の上位リーグにいるチームだ。相手の補欠メンバーでもこちらのチームなら主力、というくらい戦力差がある。こちらはメンバーもそろわずベンチも埋まらない状況だ。一方的に攻められる展開が続く。中盤を支配され、サイド攻撃を再三仕掛けられる。こちらのセンターバックを中心に最後のところは凌いでなんとか失点を防ぐ。ハーフコートゲームに近かったが、前線からのプレスとカウンターの役割を担い、短い時間ながら反撃もした。かなり消耗も激しかったが、相手のミスからカウンターに繋げ、我がチームのエースが相手DFを切り崩し先制点をとる。なんと3つもリーグが上の相手に先制したのだ。番狂わせを起こす場合、絶対に必要な先制点をとった。前半30分ごろである。格下相手に決めきれない敵チームは焦りもあるだろう。波乱を起こす条件は整った。前半は一点リードで逃げ切ったのである。

後半は自分のようなおっさんは交代前提。足がつるまで奔走するのみだ。同じくおっさん仲間と「交代枠は俺が使うから潰れたらだめっすよ」などと軽口をたたき合う。カウンターのみに攻撃を絞り前線からハイプレスをかけ続ける。再三にわたり相手のエース級の選手がサイドをえぐりペナルティエリアに侵入するが最後のゴールを割らせない。後半20分(40分ハーフだ)に1点リードを味方に託して自分は交代した。その5分後、相手がコーナーキックからヘディングで同点ゴールを決められてしまう。元々自力で勝る相手である。安心して残り15分攻め続けるだろう。その5分後、相手のエースのゴラッソが決まって逆転される。さらにそのエースがその直後倒されPKを与えてしまうが、GKが見事ストップ。カウンターが決まればPK戦まで持っていけるところだったが、とどめの3点目を奪われ、試合は決まってしまった。

強豪相手にあわやという楽しい試合であったが、結果は実力通りの力負け。県内最強のチームに挑戦することは叶わなかった。

サッカーは服を着てやることの中では一番楽しい。

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