製薬会社と医師

医師と製薬会社は癒着している。うちの薬はこんなに素晴らしいんです、ぜひ処方してくださいと営業に来る。ドラッグインフォメーションや説明会と称して数千円の弁当を持参し、説明する。それこそ研修医、下手したらポリクリを回っている学生にまで非常に腰が低くMRが受け答えをしている。自分としたら最低限の言葉づかいでよいのだが。

まあ弁当をもらった位で処方内容が変わることはないが、「そういえば説明会で言っていたな。病名や症状が合致するし、使ってみようか」くらいの意識変容はあるかもしれない。独身時代や今より給料の安かった研修医時代はお弁当はありがたかった。今ほどうるさくなかったため、2.3個もらって夕食にし、腹を満たしていた。高いだけあって、コンビニ弁当やほか弁よりはるかにおいしいのだ。

さて、年次も進み、開業医やMR向けのレクチャーが依頼されることも増えた。自社製品の使用実績や自社が力を入れている疾患の講義である。偉い先生だと額が増えるのだろうが、大体60分で5万円。準備もそれなりにあるので、時給5万円ではないが、まあ小遣い稼ぎにはなる。そうしてMRとの関係が構築されていく。

薬剤やデバイスの採用ができる立場の先生は大変だ。ある製品を使うとマージンがもらえる契約をしていてそれがめくれてしまい、ニュースになる医者も何人もいる。オピニオンリーダーとされるその道最先端の偉い先生など、年間かなりの額を製薬会社から受け取っている。

繰り返すが医者が薬屋から金をもらってその患者の不利益になるような処方や治療をすることはほぼない。偉い先生だって、エビデンスに基づいた治療をした結果、製薬会社の売り上げが上がっただけというケースがほとんどだ。ただ、同じくらいの効果効能が認める場合、関わりのある製品を選択することくらいはあるかもしれない。広義には癒着していると言えるだろう。

30‐40年前は製薬会社から医者への接待がすごかったらしい。医局旅行が製薬会社持ちの高級旅館だとか、招待されたステーキハウスでは時の総理大臣が食事をしていただとか。性接待やソープにご招待もあったそうだ。段々規制され、今の弁当や都会のホテルでの勉強会などもコロナで数は減ってしまった。

また余談だが、大学病院やその地域で一番規模の大きな病院を担当するMRはその病院の中堅の医者よりもたくさん給料はもらっている。確かにほとんどの場合清潔感のあるいい男で仕事もめちゃくちゃできる。薬剤の知識や資料作り、それを医者に説明する力、コミュ力、営業力など兼ね備えており、エリートサラリーマンはかくやといった具合だ。

世界規模なら数兆円が動いている製薬業界。自分の知っている範囲など知れているが、闇は深いかもしれない。

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