知人やそのご子息からやたら医学部受験の相談を受ける。今は医学部受験をする高校三年生のアドバイザー的なことをやっている。最近令和の虎にハマっていることもあり医学部受験について書いてみる。
日本の大学受験における最高峰の東大理3はいける人といけない人がいると思う。どれほど努力しても、95%以上の人は一生受からない。慶応大学や京都大学の医学部も同様だ。じゃあ阪大は?東北大は?慈恵は?となるとどこまでかはわからないが。
私立の医学部は一般家庭はいけないとは言わないが、安い(≒難しい)ところでも、6年間で2000万円ほどの学費がかかる。そして安い(≒難しい)私立医学部は入りやすい国立大医学部より難しいのだ。中々経済的にも厳しい。易しい(≒高い)私立の医学部でも早慶程度の難易度なのだ。ちなみに一番高いところだと4000万円台の学費がかかる。「月に30万円の給料で、家族4人暮らしています」という家庭では厳しいだろう。
さて、身近で非常によくみる例だが、開業の先生がなんとか子を後継者として医師にしたいという場合がある。多くの開業医の先生の本音である印象だ。自分が作り、あるいは継承し、苦労して継続してきた医院を、愛する我が子に継いでほしい。医師という素晴らしい職業を子にも体感してほしい。そう考える先生が多いことも自然かもしれない。
親の気持ちに対して子の反応は様々だ。大別すると以下のように分類されるように思う。
①期待通りに医師になる。
親の期待と子の希望が一致して、それを実現した場合だ。どちらにも打算的な部分が多いかもしれないが、一応ハッピーエンドになる。自分はこのパターン。両親も自分も崇高な志とは到底言えなかったけれど。
②子が医師になりたくない。
子のやりたいことが明確かどうかはさておき、医師になりたくないことははっきりしているパターンだ。医師の両親と関係が悪い場合もある。人によっては東大非医など突き抜けて優秀な人もいる。開業医仲間では自嘲気味に「レベルの高いグレ方」などとも言われるらしい。
③子が医師になれない。
最も悲惨なパターンであろう。親子ともに医師になりたい、させたいが、成績が足りないケースだ。実はかなり多い。何年も浪人して、どちらもあきらめきれずに、結局なれず・・・。最終的にあきらめることになり、ややひねくれて生きていく。
何度か書いたように、医師が特別な職業だとは自分は全く思っていないが、特殊な仕事ではあると思う。特に年配世代の医師に多いのだが、「医師か、医師以外か」とローランドさんのようになってしまい、子を医師にと強く願う医師もいる。適性と希望を見極めるべきであると思う。
ただ、強く思うことは、地方国立大の医学部は正しい努力を2年行えば大体の人がいけるということだ。才能や能力差、入りやすい人とそうではない人はいるが、かける労力が変わるだけで、不可能ということはない。「頭が良かったから」とか、「塾に通っていた」とかはほぼ関係がないと思う。ここで細かい受験勉強の話はしない。向いてない人、数学が苦手なひとなどはいるだろうが、死に物狂いになれるかどうかが大きい、というよりそれがすべてだ。
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