私は地方大学の呼吸器内科、いわゆるナンバー内科に所属しています。4年目に内科認定医(現在は総合内科でしょうか)、7年目に呼吸器専門医を取得しています。現在も医局に所属し、大学病院に勤務していますが、今年度いっぱいで別の病院に転職予定です。
ネット上では内部の医師からたたかれる、呪詛の言葉をぶつけられる大学医局、大学病院。実際に所属している自分から大学病院の利点と欠点を考察してみたいと思います。
★利点
・医師数が多い。
最大の利点ではないでしょうか。病院としての規模も大きく、先輩後輩同期が多いです。臨床上の相談ができる相手が多く、仲の良い医師同士の愚痴の相手にも困りません。医師数が多いため、担当患者も市中病院のいわゆる「野戦病院」よりは少なく、好きな気管支鏡の手技も数が多かったです。
・若い看護師が多い。
毎年新卒の看護師が入っており、出会いが豊富です。脱コロナが進んだ現在は飲み会もやろうと思えばたくさんできます。1階から8階まですべてのナースを制覇した友人もおりました。ネット上では大学病院ナース仕事しない説もあり、雑務を看護師から押し付けられることがありますが。
・学会発表や論文作成のノウハウがあり、専門医取得しやすい。
これもありがたかったです。私は上司ガチャにも恵まれ、手取り足取りで学会発表も論文作成もこなせました。学術的な活動が苦手かつ嫌いな私でも形にしてもらえました。結果、内科の臓器別の専門医を最速の年次で取得することができました。
★欠点
正直、枚挙に暇がありません(笑)
・給料が安い
市中病院でかなり高給取りであったこともあり、大学に復帰するとかなり給料が下がりました。私の医局は比較的良心的な医局であり、バイト先も悪くはないのですが、
年収は1600万→1350万と250万円ダウンです。
大学病院自体の低い給料(30万円前後)を外来と当直バイトでカバーします。ひどいところでは専門医がアルバイト全て含めて30万円台の手取りといったところもあります。
・カンファレンスが長い
長すぎます。全症例を全ての医師で事細かに検討する必要があるのでしょうか。3時間カンファレンスといったこともあります。
・お局ナース、看護部がやばい
いつか個別に書きます。
・転勤が多い
医局人事で動くため、1.2年での転勤が多いです。7.8年目に勤めた病院は働きやすく、自分も病院側も残りたい、残ってほしいと相思相愛でしたが、医局人事で移動となりました。そのたびに引っ越しや煩雑な入職の書類があり、憂鬱です。当医局はもともと田舎であり、それほどでもないですが、へき地、県外への移動もあります。
・権力争いに診療が巻き込まれる
ある教授が己の力を誇示するために、他の科の医師の診療を捻じ曲げるといったことが割と頻繁にあります。
あと100個くらいは挙げられそうですが一旦やめておきます。
悪口も書きましたが、専門医資格を取り、経験を積む過程において、医局に入っていて自分はよかったなと思います。長居は無用と思っていましたが、11年たちました。
よく言われることですが、「専門医どうしようかな」「医局ってみんな入っているし、入ったほうがいいのかな」と思うような人は医局に所属し専門医を取得することをお勧めします。
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