吾輩は学歴厨である③

40年前は私立の医学部で易しいところは偏差値50を下回っていたらしい。今ではとても考えられないくらいの学力でも入学できていたそうな。国立大学は戦後偏差値60を下回ることはまあなかった。まあ今ほど大学進学が一般的でなかった時代であり、「そもそも勉強できる人だけ集めた」中での偏差値がそういった数字であったのであろう。ご年配の先生で私立の医学部出身で素晴らしい知識や技術を駆使して医業をされている先生もおり、偏差値だけでは語れない。

今日のテーマは裏口入学の話だ。そんなものはない、と言いたいところだが、ごくわずかに今もあるらしい。国立大学はさすがにないが、私立大学の医学部で今もごくわずかに残っているそうだ。無論医師全体の1000人に1人にも満たない割合であろうが。以下は裏付けのとれた話ではなく、私が知人達に聞いた話を総合的にまとめたものだ。しかしかなり中枢に近い人にも話をきけた。

まず私立大学医学部入学者の99.9%はクリーンかつ熾烈な入試を勝ち抜いており、その難易度は少なくとも早慶クラスである。何度も書いたが改めて明記しておきたい。

しかしごく一部、推薦の入学枠などの体で、いわゆる「裏口入学」の枠が存在する。その大学の有力者やその関係者の子弟だ。学力が足りず通常の入試では入学できない。しかしそれでも医者になりたい、させたい人がいる。まずその大学の有力者と強力なコネクションが必要である。大金持ちだがコネがない人が「10億円出します、息子を入学させてくれ」といっても門前払いだそうな。そういったコネがある人がその枠を希望する。特にその時点で「いくらかかります」といったことは言われないらしい。ただ暗黙の了解で入学後に大学とその手ほどきをしてくれた有力者に寄付金を送るそうだ。少なくとも一億円以上はかかると。通常の学費ももちろん払う。一億円以上使ってまでいきたい人も中にはいるらしい。

さらにたちが悪いことに実際に入学する子弟の多くは自分は裏口で入ったとは把握していないらしい・・・。これではその学生の将来が豊かなものになろうはずもないと思うのだが。

一人だけ、顔見知りがそういった枠で某私立医大に進学した。田舎だが綜合病院の経営者のご子息だ。数年の浪人を経て何度も医学部受験に挑戦したが、結果は出なかった。20歳代中盤でお父上のコネが使えるところに裏口入学した。しかし留年を繰り返し、約10年学生をやったがついに卒業できず退学となった。どう計算しても数億円かかっている。

私が話をきいた知人によると、裏口入学の場合「ストレートで卒業し6年間で医師免許を取る確率はほぼ0、最終的に医師免許を取る確率は50%くらい」だそうな。進級や国家試験に裏口はないらしい。

ラグビー日本代表選手が順天堂大学医学部に進学している。学力が十分高かったとは思えないので、ラグビーの実績が評価されての入学だろう。彼ほど体力があり、根性があり、日本代表になれるだけの努力ができる人は有能な医者になれそうな気はする。しかし受験はクリーンであってほしい。「学力一本勝負」の受験であってもらいたい。生まれも育ちも経歴も性別も全て無視して、当日取った点数のみで合否が決まるべきだと思っている。面接も「本当にやべーやつをはじく」程度にしておいてもらいたい。

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